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■毛も表皮も、起源の細胞同じ 培養皮膚改良へ

皮膚の表皮や体毛、脂腺が共通起源の細胞から分化して作られることが、聖マリアンナ医科大などによる動物実験で明らかになった。 起源の細胞の多くは毛根にまとまって存在し、必要に応じて毛根の中を上や下に移動し表皮や毛を作ることも分かった。 やけどの治療に使われる培養皮膚の改良に役立ちそうだ。
実験をしたのは聖マリアンナ医科大の大島秀男助手や、フランス国立高等学院の研究者ら。毛の起源は「毛包幹細胞」と 呼ばれる細胞。表皮の下にある、毛の根元部分「毛根」の中ほどに密集していると考えられていた。
大島助手らは細胞が青く染まるように遺伝子組み換えをしたマウスを使った。毛根の中間部分を切り取り、ほかのマウスなどに 移植した。移植された青い細胞は数週間後ごろから動きだして毛根の一番深いところに移動し、毛に変わっていくことが 分かった。毛包幹細胞は下に動いて毛に変わるだけでなく、上方向にも移動して、表皮や脂腺にも変化していた。
毛包幹細胞が毛に変化するのは、毛根の根元にある「毛乳頭」から出るいろいろな因子の刺激を受けるから。大島助手は 「将来はこの因子を解明し、毛包幹細胞を育毛にも役立てたい」と話す。
今はまだ毛包幹細胞だけを選び出すことはできない。将来可能になれば、やけどなどの治療に使う培養皮膚を、 体毛や脂腺もある、より自然に近い状態にして作れる可能性があるという。

大沢匡毅・理化学研究所発生・再生科学総合研究センター研究員の話
表皮や毛、脂腺が同じ起源の細胞からできることを、今回のようにきちんと証明したのは世界で初めて。皮膚の 研究者に大きなインパクトを与えた。今後、人とマウスの違いの調査や、毛包幹細胞だけを取り出せる技術の確立が必要だろう。
(朝日新聞 2002年4月17日)


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