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■工技院・ポーラ 抜け毛抑える遺伝子発見
働き促す物質探索 育毛剤に商品化へ

工業技術院生命工学工業技術研究所と化粧品メーカーのポーラ化成工業(静岡市)の共同研究チームは 抜け毛を抑える遺伝子を発見した。今回見つかった遺伝子は毛の根元に作用して毛が抜けないようにする。 これまでの育毛剤のように毛を包み込んでいる細胞に栄養を与えたり、血行を促進するものと異なり、 効果の高い育毛剤になると期待している。研究チームは、この遺伝子の働きを活発にする物質を見つけ、 育毛剤として商品化する考え。
発見したのは、線維芽細胞増殖因子(FGF)と呼ばれるたんぱく質を作る遺伝子。細胞を増やす働きが知られている FGFにはいくつかのタイプがあるが、研究チームは「FGF-5S」というタイプの遺伝子に、抜け毛を抑える効果が あることを見いだし、この遺伝子の物質特許と用途特許を出願した。
FGF-5Sの効果を確認するため、ネズミを使って実験した。ネズミの毛を抜いてから皮膚の内側にFGF-5Sが作る たんぱく質を、毛が生えないようにする化学物質とともに一週間にわたり毎日、注射した。化学物質だけを 与えたネズミと比べたところ、両方与えた時の方が、成長した毛の長さが二倍近くあったという。
研究チームはこの遺伝子の働きを活発にする物質を植物のエキスなどから探し出す研究に乗り出した。 物質が見つけられれば、新しい育毛剤として商品化する計画だ。
毛髪は一つの毛穴で繰り返し生え変わる。新しい毛が生えて伸びる成長期が二〜七年続く。その後、毛髪の 根元を包み込んでいる毛包という部分が小さくなり成長が鈍り、やがて成長が止まり、毛が抜ける。 その後、再び毛包が大きくなり毛が生えてくる。
毛髪の成長に関する遺伝子は、九四年に米カリフォルニア大学の研究チームが毛を抜く働きを持つ遺伝子を 見つけていた。
FGF-5Sは、毛を抜く機能を持ったたんぱく質の働きを抑え、毛が抜け落ちる時期を遅らせているという。 若はげなどは、この遺伝子がうまく働かなくなるため、起きるとみられる。
(日本経済新聞 2000年11月18日)


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