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■脱毛促す遺伝子を発見 資生堂 新育毛剤の開発に

資生堂は、脱毛に関係する新たな遺伝子を二種類見つけた。二つの遺伝子の働きが高まると、細胞死(アポトーシス)を 引き起こす酵素が増え、毛を作る毛母細胞が死んでしまい脱毛に至るという。長い期間伸び続けてきた髪が短期間で抜けるうえで 大きな役割を果たしているとみている。さらに研究を続け、新たな育毛剤開発を目指す。
同社はMGH/ハーバード皮膚科学研究所(米マサチューセッツ州)と共同でTSC-22とSmad2という二つのヒト遺伝子を発見した。
一般に毛髪は、成長(四〜六年)、退行(二〜三週間)、休止(四〜五ヶ月)の各期間を経て抜け落ち、新たな毛髪が生えてくる。 退行期のスイッチの役割を果たすのがTGFベータ2と呼ぶたんぱく質で、毛母細胞の細胞死はカスパーゼという酵素が増えることで 起こることが分かっている。資生堂は新発見の遺伝子が、退行期のスイッチが入ってから細胞死するまでの間において重要な 役割を担っていることを突き止めた。
具体的には、男性ホルモンの影響で毛乳頭細胞の周辺にTGFベータ2が現れると、毛が成長をやめて退行期に移行。Smad2という 遺伝子を活性化させ、さらにTSC-22が作用して、カスパーゼの増大を引き起こしていた。
資生堂は、脱毛への一連の流れが解明できたとみている。脱毛は多くの遺伝子やたんぱく質が複雑に絡み合って生じており、 「ある一つの因子を抑えるだけでは脱毛は止められない」(資生堂)という。
今後は、各段階で遺伝子やたんぱく質などの働きを抑えることが研究の目標になる。メカニズムを詳しく明らかにして 「標的」となる物質を多数見つけ、各段階で脱毛を止めるような脱毛防止剤の開発を目指すという。
TSC-22は、他の生物で見つかっていた遺伝子。ショウジョウバエでは複眼を正常に発生させるのに重要な役割を果たす遺伝子として 知られている。しかし、人間ではどのような働きを持つのか分かっていなかったという
(日経産業新聞 2001年6月19日)


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